「ほぼ」100均のもので作る手作り地震計(第一回) – 地震計の勝島製作所
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「ほぼ」100均のもので作る手作り地震計(第一回)

当社が製造している電磁式地震計(SD型検出器PK-110型検出器)の原理を一般の方にも簡単にご理解いただけるよう、身近に手に入る材料を使って地震計ができないか?という話が持ち上がり、100均で手に入るもので地震計を作るプロジェクトがスタートしました。
(地震計の仕組みについては、「地震計の仕組み(当社SD型検出器の特徴)」を合わせてご参照ください。)

但し、現時点では性能面の問題で、全てを100均調達品で済ますことができず、一部、ホームセンターで調達したものも使用しています。

制作の工程で怪我がないよう、ハサミを使うくらいの簡単な加工のみで組み立てていますが、強力な磁石を使用しますので、もし本ブログを読まれて作ってみようと思われた方は、小さなお子様の誤飲など無いよう十分にご注意をお願い致します。

SD型検出器(SD-240-3)と並べた状態で、実際の地震記録も収録できました。
社内でも、すでにいくつかの改良アイデアが上がってますが、「第一回」のご報告として、プロトタイプですが材料と計測結果をご紹介します。


上下動観測用地震計

完成形状

材料

100均 調達品
バナナスタンド

ガラス試験管

スプリングキーホルダー

一輪挿しスタンド

マグネット

ホームセンター調達品

エナメル線

水平動観測用地震計

完成形状

材料

100均 調達品
ウッドボックス

工作板

シーズニングポット

タコ糸

マグネット

ダブルクリップ

ホームセンター調達品

エナメル線

釘(大)

実際の地震記録(当社SD-240-3型との比較)

下記は勝島製作所社内で観測された実際の地震での波形記録です。

製品であるSD-240-3の水平動Xと、手作り地震計の水平動X(赤文字)。SD-240-3の上下動Zと、手作り地震計の上下動Z(黄文字)は、同じ方向で設置されていますので、理想的には同じになるはずです。

手作り地震計の水平動(赤文字)については、かなり似た形で動いていますが、地震の揺れが収まったあとも振り子の自由振動が続いて出力が出ています。ダンピングが足りない状態なのですが「100均縛り」の中では解決は簡単ではありません。

手作り地震計の上下動(黄文字)については、SD-240-3 とは明らかに異なる波形で、むしろ水平動(赤文字)に近い波形になっています。上下の振り子動作に「スプリングキーホルダー」を使いましたが、バネの動きが硬すぎて、ただの紐で吊っているのと同じようになってしまい、結果、横揺れの分(水平動)と同じ波形になっていると推測されます。材料の見直しと、構造自体の変更も検討する必要があると考えています。

この手作り地震計については、今後も、改良を続けて行こうと考えていますのでご期待ください。

また、この「ほぼ100均のもので作る手作り地震計」は、2023年5月21日から幕張メッセで開催されます日本地球惑星科学連合2023年大会のブースにも展示予定です。学会にご参加される方は、ぜひ当社ブースにも御立ち寄りください。

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