社員旅行の写真 – 地震計の勝島製作所
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社員旅行の写真

社員旅行の時に撮影された写真。

真ん中の「大砲」に跨がる男の子が、二代目社長 勝島正雄 であることは間違いない状況で、写っている姿から1930年頃(昭和5年頃)に撮影された写真であると推測されました。しかし写真以外の記録はなく、どこで撮影されたものなのか長らく不明となっていましたが、調査の結果、これが静岡県伊豆の国市の史跡「韮山反射炉」で撮影されたものと判明しました。

反射炉とは、金属を溶かして大砲などを鋳造するための溶解炉です。熱や炎を反射して一点に集中させ金属を溶かす構造をしています。韮山反射炉は、幕末に続いた欧米列強の脅威に対抗すべく軍事力強化の声が日増しに大きくなる中、1853年(嘉永6年)のペリー来航を受け、幕府によって建設が進められたもので1857年(安政4年)11月に竣工しました。

1922年(大正11年)には国から史跡として指定されており、2015年(平成27年)には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産に登録されています。

現在の姿は1957年(昭和32年)の補修工事によって、鉄骨トラス(三角形を構成する梁)での補強が行われた形になっていますが、1908年(明治41年)の補修工事後の写真を見ますと、社員旅行の写真は、こちらで撮影された写真であることは間違いありません。


韮山反射炉ガイダンスセンターにて撮影

ちなみに上記写真の「銃剣柵」とは、日露戦争の戦利品としてロシア帝国から接収した「ロシア製スナイドル銃」の銃床を取り外して柵としたもので、1908年(明治41年)の補修工事で設置されたものとのこと。この時点で反射炉としては稼働しておらず、観光地化されていました。社員旅行の写真にもこの銃剣柵が写っています。銃剣柵は1985年(昭和60年)に撤去されましたが、今でも一部が韮山反射炉ガイダンスセンターに保存・展示されています。

ガイドの方にこの社員旅行の写真をお見せしたところ、影の向きから冬の午前中に撮影された物であろうと教えていただきました。
約95年前の社員旅行に、筆者も参加できた気分になりました。


ガイドの方に跨る許可を頂いて撮影しています。

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