マグニチュードとは – 地震計の勝島製作所
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マグニチュードとは

地震の大きさを表すマグニチュードについてご説明します。


マグニチュードと震度の違い

マグニチュードは、地震波で放出されるエネルギーの大きさを示す数値で、地震そのものの大きさ(規模)をあらわす数値として利用されています。単位はありません。マグニチュードは、通常は複数の地震計の最大振幅などを用いて計算されています。対して震度は、ある場所での地震の大きさの「程度」を表したものになります。
マグニチュードは大きくても震源から遠くで発生した地震は震度は小さくなる傾向がありますし、逆にマグニチュードは比較的小さくても震源から近い場合は大きな震度となることがあります。
(震度についての詳しいことは、合わせて「震度とは?」をご参照ください)

マグニチュードはエネルギーの大きさを示す数値と書きましたが、対数という数値表現が使われています。
地震のエネルギーの大きさと、マグニチュードの数字の大きさは正比例していません。

マグニチュードとエネルギーの関係式
log10E=4.8+1.5M (Eはエネルギー(ジュール) Mはマグニチュード)

マグニチュードが 1 増えると、エネルギーは10の1.5乗倍≒32倍 となります。
マグニチュード8の地震で放出されるエネルギーは、マグニチュード6の地震で放出されるエネルギーの32倍×32倍となり、1000回分ということになります。

地震エネルギーの大きさ

エネルギーの単位であるJ(ジュール)は、他のエネルギーを発するものと比較できます。

広島型原爆のエネルギーがマグニチュード6相当(63TJ(テラジュール:テラは10の12乗))と言われてます。大きな地震と言われるマグニチュード8の地震は、その32×32となりますので、広島型原爆1000発分のエネルギー約63PJ(ペタジュール:ペタは10の15乗)が震源域から発せられていることになります。

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)はマグニチュード9.0(2.00 EJ(エクサジュール:エクサは10の18乗))と言われています。

ジュールはカロリーに代わるエネルギー・熱量の国際単位で、1cal は 4.184J になります。1リットルの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーは 1000cal = 1kcal = 4184J ということになります。
単位の前に付く符号は、
1,000 は K(キロ)
1,000,000 は M(メガ)
1,000,000,000 は G(ギガ)
1,000,000,000,000 は T(テラ)
1,000,000,000,000,000 は P(ペタ)
1,000,000,000,000,000,000 は E(エクサ)
という意味になります。

地震観測ができるようになった1900年以降の地震で1番マグニチュードが大きかった地震は(諸説ありますが)1960年のチリ地震でマグニチュード9.5(11.2EJ エクサジュール)と言われており、東日本大震災のマグニチュード9.0と比較すると数字上は0.5の違いでしかありませんが、約6倍弱のエネルギーが発せられていたことになります。2019年における日本国内において1年間に発電された電力量は総量で3.68EJ(電力事業連合会HP 2019年度電源別発受電電力量の推移グラフから換算)ですので、歴史的な大地震においては、どれほど大きなエネルギーが震源域から放出されているかご理解いただけるかと思います。

マグニチュードとエネルギーの関係(換算表)

対数を使った大きさの表現(数字が2増えただけで1000倍になる)はわかりにくいので、マグニチュードをエネルギーに換算したのが下記の表です。地震は大きなエネルギーを放出しているということをご理解いただければと思います。

マグニ
チュード
[M]
エネルギー エネルギー(符号なし) 備考
4184 J
4184ジュール
4,184 J (参考)1リットルの水の温度を1℃上げるエネルギー
6.0 63.1 TJ
(テラジュール)
63兆1000億ジュール
63,100,000,000,000 J
6.1 89.1 TJ
89兆1000億ジュール
89,100,000,000,000 J
6.2 125 TJ
125兆ジュール
125,000,000,000,000 J
6.3 178 TJ
178兆ジュール
178,000,000,000,000 J
6.4 251 TJ
251兆ジュール
251,000,000,000,000 J
6.5 355 TJ
355兆ジュール
355,000,000,000,000 J
6.6 501 TJ
501兆ジュール
501,000,000,000,000 J
6.7 708 TJ
708兆ジュール
708,000,000,000,000 J
6.8 1.00 PJ
(ペタジュール)
1000兆ジュール
1,000,000,000,000,000 J
6.9 1.41 PJ
1410兆ジュール
1,410,000,000,000,000 J
7.0 2.00 PJ
2000兆ジュール
2,000,000,000,000,000 J
7.1 2.82 PJ
2820兆ジュール
2,820,000,000,000,000 J
7.2 3.98 PJ
3980兆ジュール
3,980,000,000,000,000 J
7.3 5.62 PJ
5620兆ジュール
5,620,000,000,000,000 J 兵庫県南部地震 最大震度7
(阪神・淡路大震災 1995年)
7.4 7.94 PJ
7940兆ジュール
7,940,000,000,000,000 J
7.5 11.2 PJ
1京1200兆ジュール
11,200,000,000,000,000 J
7.6 15.8 PJ
1京5800兆ジュール
15,800,000,000,000,000 J
7.7 22.4 PJ
2京2400兆ジュール
22,400,000,000,000,000 J
7.8 31.6 PJ
3京1600兆ジュール
31,600,000,000,000,000 J
7.9 44.7 PJ
4京4700兆ジュール
44,700,000,000,000,000 J
8.0 63.1 PJ
6京3100兆ジュール
63,100,000,000,000,000 J
8.1 89.1 PJ
8京9100兆ジュール
89,100,000,000,000,000 J
8.2 125 PJ
12京2500兆ジュール
125,000,000,000,000,000 J 関東地震
(関東大震災 1923年)
(マグニチュードは諸説あり)
8.3 178 PJ
17京8000兆ジュール
178,000,000,000,000,000 J
8.4 251 PJ
25京5100兆ジュール
251,000,000,000,000,000 J
8.5 355 PJ
35京5000兆ジュール
355,000,000,000,000,000 J
8.6 501 PJ
50京1000兆ジュール
501,000,000,000,000,000 J
8.7 708 PJ
70京8000兆ジュール
708,000,000,000,000,000 J 貞観地震(869年)
(マグニチュードは諸説あり)
宝永地震(1707年)
(マグニチュードは諸説あり)
8.8 1.00 EJ
(エクサジュール)
100京ジュール
1,000,000,000,000,000,000 J
8.9 1.41 EJ
141京ジュール
1,410,000,000,000,000,000 J
9.0 2.00 EJ
200京ジュール
2,000,000,000,000,000,000 J 東北地方太平洋沖地震 最大震度7
(東日本大震災 2011年)
9.1 2.82 EJ
282京ジュール
2,820,000,000,000,000,000 J スマトラ島沖地震(2004年)
9.2 3.98 EJ
398京ジュール
3,980,000,000,000,000,000 J (参考)2019年日本国内年間発電量(3.68 EJ)
9.3 5.62 EJ
562京ジュール
5,620,000,000,000,000,000 J
9.4 7.94 EJ
794京ジュール
7,940,000,000,000,000,000 J
9.5 11.2 EJ
1120京ジュール
11,200,000,000,000,000,000 J チリ地震(1960年)
観測史上最大の地震
10 63.1 EJ
6310京ジュール
63,100,000,000,000,000,000 J (参考)
12 63.1 ZJ
(ゼタジュール)
631がいジュール
63,100,000,000,000,000,000,000 J (参考)
40 6.31×1064 J
6不可思議ふかしぎ3100那由他なゆたジュール
63,100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,
000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 J
(参考)
44 6.31×1070 J
631無量大数むりょうたいすうジュール
63,100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,
000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 J
(参考)
マグニチュード100 6.31×10154 J (参考)

 

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