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地震計の設置場所について
地震計の検出器(センサー・検出部・加速度計)の設置場所は、何の揺れを測る目的なのかによって設置場所を決めることになります。一般的に、その場所の「地盤」の揺れを計測することが基本となりますが、さらに検出器(センサー・検出部・加速度計)を追加して、地盤の揺れに対してその上の建物・建築物がどう揺れたかを同時に計測することもあります。それによって建物・建築物がどの程度揺れたかを確認できることはもちろん、地震観測データ(地震波形データ)を過去に得られたデータと重ねて確認することによって、地震時の応答の経年変化を確認し、建物の劣化診断を行うことにも使われています。
テレビなどで発表される震度の観測点については、こちらの記事をご参照ください。
地震計の設置場所について(地盤-屋外)
ここから書く条件は、地盤の揺れを収録するために必要とされる条件で、気象庁の発表している「震度計設置基準」に習った内容です。地震があった際に気象庁から発表される震度を計測するための計測震度計の設置基準となります。大雑把に言いますと「地盤と一体となって揺れる場所であること」という条件になりますが、その条件を満たすため下記の点に注意する必要があります。
・崖や傾斜等の段差の近くでないこと。
・旧河川や池・沼・海を埋め立てた場所でないこと。
・台地や山地等の谷の部分でないこと。
・盛土による造成地でないこと。
・周囲と揺れが異なる地盤上でないこと。
・転圧が十分な場所であること。(ふわふわしない。足で強く踏んでも地面が揺れたり、めり込む等しない)
・花壇や植栽等でないこと。
・直下または近傍に空洞構造物(地下タンクや埋設管)がないこと。
・柱状構造物(鉄塔、ポール、樹木)の近くでないこと。
・機械的な人工振動を受けない場所であること。
・(車、自転車、人間、動物など)衝突のおそれがない場所であること。(柵で囲うなどで対策で回避)
これらの条件が揃わない場所であったり、より雑振動のない厳密な地盤の揺れを観測したい場合は、その地点にボーリング孔を用意して、筒状の検出器(センサー・検出部・加速度計)を地中埋設する場合もあります。
地震計の設置場所について(地盤-屋内)
上記のように地盤の揺れを確認する地震計の検出器(センサー・検出部・加速度計)を屋外に設置できず、建物内に設置する場合の条件としては、下記の点に注意する必要があります。
・堅牢な建物であること。
・高層の建物は建物固有の揺れの影響を受ける可能性があるため避ける。(おおよそ3〜4階までの建物までが望ましい)
・設置する階数は1階が良いが、下に床下や中空階などの空間がなく梁や基礎がある強固な場所が望ましい。
・地下は深くなるほど揺れが小さくなる傾向があることから、設置しようとする場所が地盤と同じ揺れであるかを事前に確認することが望ましい。
・免震構造などの建物の場合、地盤側の基礎階に設置する。
・大きな地震で破壊されないよう、強固なコンクリート床面などを選ぶ。